トップページ>アイスランドクローナ 治安・金利・GDPは魅力ながら流動性の低さに不安

約15％の政策金利による高いスワップポイントが魅力です。
しかし現在、世界的な金融危機の余波を受けて流動性が低下ています。
日本国内のFX業者でアイスランドクローナを取引できるのは
ヒロセ通商、kakakuFXなどサクソ銀行(デンマーク)系の取引システムを
導入している業者だけでしたが、当のサクソ銀行が2008年10月初めより
一方的にアイスランドクローナを含むペアの取引を中止、保有ポジションの
強制決済をするとしたため、現在実質的にFXでアイスランドクローナは
取引できません。

アイスランドは人口30万人程度の国ですが、金融システムが発達しており
外貨の受け入れも盛んでした。金利の高さは、外貨呼び込みのための
側面も有していました。しかし、経済が好調なときは良かったのですが、
世界的な金融不安が発生すると金融に支えられていた経済は
あっという間に後退し始めます。業績が悪化し立ち行かなくなった
国内の市中銀行は数社がすでに国有化され、口座の凍結が起きています。
さらに、アイスランドには外貨が流れ込んできているのは前述の通りですが、
外国人が持つそれらの口座も凍結され、高金利目当てに預金していた外国人の
預金が引き出せなくなるという国際問題にまで発展してしまいました。

この経緯を見るとサクソ銀行が一方的に取引終了させたのも結果的に
予防策として評価できるといえます。
数年後、金融危機が落ち着けば再びトレードできるようになるかもしれませんが、
流動性の低い通貨はこういったリスクも負っているという事例として
覚えておくと良いでしょう。